留学先からの便り/安松 弘毅 総合科学部 4年次(留学時)

ミャンマーといってどれほどの人がピンと来るのでしょうか。長年の鎖国やビザが必要ということから、印象が湧かないという人の方が多いかもしれません。法外な外国人料金をとる飛行機を嫌えば、街灯もない曲がりくねった崖のような道を夜行バスで駆けるような、目に見えて曲がった線路を走るような、そんな旅路を往かなければ観光地にも行けません。しかしその反面、外国人旅行者にスレておらず、ぼったくろうともせず、熱心に客人をもてなすミャンマー人の温かみに触れています。バス移動のために水と軽食を買ったらバスターミナルまで送ってくれたり、いつの間にかチケットが取ってあったり、咳をしていると訳の分からない薬をくれたり…。挙げだしたらキリがありません。何度もお礼を言って、せめてお金を払おうとしてみても、助け合いは当然だ、なぜわざわざ感謝をするのかと、不思議がられるほどに自然にやってのける人たちです。悪く言えば古臭く、よく言えば我々が発展にかまけて忘れてしまった、人と人との繋がりを大事にする国民性があります。

そんなミャンマーも近年では海外に開かれ、急速に発展が進んでいます。英語教室では老若男女問わず必死に英語を勉強していて、工事の音が鳴りやまないヤンゴン。時速30kmでトコトコ走る環状線も山手線のように生まれ変わる計画があるそうです。大量の野菜を持ち込む商人は不要な部分を外に捨てながら市場に運んでいき、線路には洗濯物が並べられ、子供たちが遊んでいます。彼らの生活を守りながら発展するにはどうしたらいいのか。先進国として日本はどんな協力ができるのか。そんなことを考えながら今日もロンジーを履いて歩きまわっています。

 

授業は先生と一対一。学部所有のボタニカルガーデンから植物をとってきて観察します。

ダンピュザヤの集落。現地での植物利用について聞き取り調査をしています。

水を買ったらお茶の葉サラダをご馳走になった上にバスターミナルまで送ってくれました。

ヤンゴンの環状線。線路や駅は地元民の交流の場。私が履いているのが男性用のロンジーです。